樹脂について
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■トチ(栃)
日本においては山間部に多く自生し、かつては種子を灰汁抜きして食用にもされていたトチノキ。木材としての使用は古く、特に茶道具や箪笥、和箪笥などに重用されてきました。
辺材は白〜淡黄褐色、心材との境目が少ないため、全体的に明るい印象を与える白木の代表格。
木目には「縮み杢」や「波杢」などの装飾的な杢目が入りやすく、絹のような光沢が特徴です。比重は0.45〜0.60程度で、加工性に優れ、狂いも少ないことから高級家具や楽器の胴材にも用いられます。

■クス(楠)
クスノキは日本の本州南部〜沖縄にかけて広く自生する常緑高木で、樹高30m以上・樹齢数百年に達するものも多く、神社仏閣や街路樹としても親しまれています。材には天然の樟脳(カンフル)成分が含まれ、防虫・抗菌性が高いことから古くは薬用、衣装箱、船材、仏像などに使用。木材としての利用歴は非常に古く、平安期の仏具や棺にもその痕跡が見られます。
木材の比重は0.45〜0.55程度。乾燥には時間を要しますが、狂いは比較的少なく、強度も中程度以上。特有の香気と大胆な木目は一枚板材として高く評価されています。

■ウォールナット
ウォールナットは北アメリカを中心に分布する広葉樹で世界三大銘木の一つに選ばれています。世界の王室や高級ホテルなどでも使われ、17世紀以降の欧州家具輸入を機に本格化。銃床材や高級車のパネル材、楽器、家具などに広く利用されてきました。
比重は0.55〜0.65前後と中程度で、加工性と寸法安定性に優れ、乾燥後の狂いが少ないのが特長です。耐久性も高く、虫害にも比較的強いことから「北米最高級材」とされます。

■クラロウォールナット
クラロウォールナットは、北米のヒンドシーウォールナット(Juglans hindsii)とヨーロッパ原産のイングリッシュウォールナット(Juglans regia)が自然交配したハイブリッド種。
19世紀後半にカリフォルニアの果樹園で台木として導入され、現在はその伐採跡が極めて希少な一枚板材として流通。
木目の表情は非常に複雑で、紫・グレー・黄・焦茶といった色味が入り交じり、唯一無二の表情を持つ芸術材と評価されます。流通量はごく僅かで、国際市場でも高価格帯に分類されます。

■モンキーポッド
モンキーポッドは熱帯アメリカ原産の常緑広葉樹で、樹高30m以上、樹冠は直径30m以上に達する巨大樹です。ハワイではシンボルツリーとしても親しまれ、「この木なんの木(日立の樹)」で知られるようになりました。
心材はチョコレートブラウン、辺材は白〜黄褐色と強いコントラストを示し、うねるような木目が特徴。比重は0.60〜0.70で強度も高く、乾燥による狂いも少ないことから、近年は一枚板テーブル素材としての需要が高まっています。

■ボセ
ボセは「アフリカンチェリー」とも呼ばれる広葉樹で、見た目や性質は山桜やチェリー材に似ています。
心材は淡紅褐色〜橙色を呈し、辺材との境界が緩やか。木目は通直〜やや交錯し、落ち着きのある表情を持つため、家具や建築装飾材として汎用性が高いとされています。
比重は0.50〜0.65程度で、乾燥・加工性ともに良好。寸法安定性が高く、割れや狂いも少ないため、ヨーロッパや日本でも一枚板材として近年人気が上昇しています。
屋久杉
屋久島に自生するスギのうち、樹齢1000年以上の個体を「屋久杉」と呼びます。
標高500m以上の山地に育ち、年中湿潤な気候の中で非常に緩やかに成長するため、年輪は極めて緻密で、1cmあたり30〜100年分の年輪を刻むこともあります。
江戸時代より建材・神殿材として使用されてきましたが、1993年に屋久島が世界自然遺産に登録されて以降、伐採は原則禁止。現在流通している屋久杉材は、風倒木や土埋木に限られ、極めて希少です。香り成分や抗菌成分にも富み、保存性に優れます。

■ブビンガ
ブビンガは中央アフリカ一帯に自生する大径木で、直径1.5m、長さ30mを超えることも珍しくありません。
心材は赤褐色〜紅紫色で、黒い縞模様や杢が入り、非常に装飾的。乾燥や加工には専門的技術を要しますが、硬度・耐久性に優れ、重硬であるため、重厚な家具・フローリング・楽器などに用いられます。
近年はワシントン条約の規制対象となり、国際的な輸出入が制限されつつあり、今後さらに入手困難になる可能性が高い銘木です。
■ケヤキ(欅)
日本の広葉樹の代表格であり、樹齢500年を超す巨木も多く、古くから神社仏閣・城郭・能舞台の柱や梁材として重用されてきました。
心材は黄褐色〜赤褐色で、木目は非常に力強く、光沢もあります。気乾比重は約0.65〜0.70とやや重く、硬度・耐久性ともに高い。
水湿にも比較的強く、木殺し処理(蒸し焼き)を施した「燻し欅」は特に耐久性に優れています。経年で色味が飴色に変化する美しさも、長期使用家具において重宝される理由のひとつです。
■マカバ(真樺)
ミズメザクラとも呼ばれる国産広葉樹。北海道から本州中部にかけて分布し、山岳地帯に多く見られます。
辺材・心材の差が少なく、色合いは淡い赤褐色〜黄褐色。木肌はきめ細かく滑らかで、加工後の手触りに定評があります。
比重は0.60前後。強度・弾力性・寸法安定性が高く、家具・フローリング・ピアノの部品・刃物の柄など精度を要する用途にも使用されます。狂いが少なく、加工後も長期間安定する点で、高品質な家具材として近年再評価が進んでいます。
■山桜
ヤマザクラは、日本における在来のサクラ属の代表種であり、花見における古来の桜としても知られます。ソメイヨシノのような園芸種とは異なり、樹齢は100年を超える個体も多く、銘木としての木材利用の歴史も深いのが特徴です。心材は赤褐色〜濃桃褐色を呈し、辺材は淡黄白色。色のコントラストが美しく、通直〜やや波打つ木目が、高級家具材・楽器材・工芸材として高く評価されています。ヤマザクラ材は経年変化により赤味が深くなり、使い込むほどに色艶が増してゆくという美点もあります。これは、タンニンなどの成分が空気酸化によって変化する自然現象で、長期使用家具において特に評価されます。

■マイボニー
マホガニーは、世界三大銘木の一つとして広く知られ、16世紀から現在に至るまで、高級家具・楽器・船舶・建築材に使われてきた世界的な銘木です。現在「マホガニー」と呼ばれる木材には、主に以下の3種が存在します:マホガニーは16世紀のスペイン植民地時代にヨーロッパへと輸出され始め、17〜18世紀のイギリス「ジョージアン様式家具」の黄金期に爆発的に普及。トーマス・チッペンデールやヘップルホワイトといった家具職人がこぞって使用し、「英国貴族の木」として名声を得ました。